人工肛門で障害年金が受け取れる場合

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 大澤耕平

最終更新日:2025年08月12日

1 人工肛門は障害年金の対象となる障害です

 人工肛門については、障害年金認定基準の「その他の疾患による障害」の節に「人工肛門又は新膀胱を造設したもの若しくは尿路変更術を施したものは、3級と認定する。」と記載されています。

 したがって、人工肛門を造設した場合には、少なくとも3級の基準を満たすことになります。

 なお、「人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設したもの又は尿路変更術を施したもの」「人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害(カテーテル留置又は自己導尿の常時 施行を必要とする)状態にあるもの」については2級に認定するとされています。

 また、「全身状態、術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等により総合的に判断し、さらに上位等級に認定する。」とされていますので、人工肛門の原因となった疾患の進行度によっては、2級以上の等級に該当する可能性もあります。

 このように人工肛門が障害年金を受け取れる可能性のある障害です。

2 人工肛門で障害年金を受給できるようになる時期

 障害年金は、病気やケガが生じたらすぐに受給できるようになるわけではありません。

 原則としては、初診日(障害の原因となった病気やケガについて初めて医療機関で診療を受けた日)から1年半経過するのを待って、初めて申請をすることが可能となります。

 ただし、人工肛門を造設した場合には、障害年金の認定基準で「障害の程度を認定する時期は、次により取り扱う。

 人工肛門を造設し又は尿路変更術を施した場合はそれらを行った日から起算して6月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)」とされています。

 したがって、人工肛門で障害年金を受給する場合には、造設の手術を受けてから半年待てば申請が可能となります。

3 その他の要件について

 なお、障害年金を受給するには障害の程度だけでなく、年金保険料の納付状況などの要件も重要となります。

 初診日の前日を基準に、初診日が属する月の前々月までの直近1年に年金保険料の未納がないか、公的年金制度に加入してから初診日が属する月の前々月までの期間に1/3を超える未納がないことが求められます。

 また、上記1のとおり、人工肛門の造設のみの場合に該当する等級は3級であり、総合的に2級と認定される事情がない場合には、3級は障害厚生年金にしかないことから、初診日に厚生年金に加入していたことが障害年金を受給するために必要となります。

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