難病で障害年金が受け取れる場合

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 大澤耕平

最終更新日:2025年06月05日

1 難病とは

 難病という言葉は、法律用語としては、難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)という法律に定義が置かれています。

 難病法の1条では、難病とは「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいう。」とされています。

 そして、このような難病の中でも、指定難病というものが定められています。

 指定難病とは、「難病のうち、当該難病の患者数が本邦において厚生労働省令で定める人数に達せず、かつ、当該難病の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていることその他の厚生労働省令で定める要件を満たすものであって、当該難病の患者の置かれている状況からみて当該難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定するもの」とされています。

 このような指定難病については、医療費助成などの支援が行われています。

2 難病と障害年金の関係について

 障害年金は、病気の種類ではなく、病気の結果生じている障害の程度に応じて認定がされるため、例えば指定難病に該当したからといって、直ちに年金が受給できるというわけではありません。

 また、難病は定義上「希少な疾病」であり、他の疾病による障害にくらべて申請件数が少なくなりやすいため、障害年金の認定基準の中に、各難病の具体的な認定の目安が定められていません。

 そのため、難病について障害年金の申請をする場合には、まず、その難病について具体的にどのような障害が発生しているのかについて、整理することが必要となります。

 障害年金の認定基準では、眼の障害や聴覚の障害、肢体の障害、精神の障害、呼吸器や心臓の障害というように、様々な障害の種類ごとに認定基準が設けられています。

 例えば、難病によって視力が低下したなら、眼の障害の認定基準を参照することになりますし、呼吸機能に障害が生じるのであれば呼吸器の障害を参照します。

 もっとも、難病のなかには、障害年金の認定基準の中に列挙されている具体的な障害のどれにも該当しないような症状のものもあります。

 例えば、全身の倦怠感や体力低下などが症状である場合には、個別にどの部位の障害ということが困難です。

 そのような難病については、認定基準の中でも「その他の疾患による障害」の基準に該当するかが審査されることになり、当該難病によって具体的に日常生活にどのような障害が生じているのかを、診断書の記載を通じて審査する側に説明しなければならなくなることが一般的です。

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