くも膜下出血で障害年金を請求する場合のポイント

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 大澤耕平

最終更新日:2025年05月01日

1 くも膜下出血によって生じる可能性のある障害について

 くも膜下出血で障害年金を請求する場合の最初のポイントは、くも膜下出血と因果関係のある障害を漏れなく把握することです。

 くも膜下出血は、言うまでもなく脳に影響を与える傷病であるため、多様な障害が残ります。

 典型的には、半身麻痺のような肢体障害が残ることが考えられます。

 しかし、肢体の障害に限らず、例えば、くも膜下出血を契機に、一気に認知機能が低下する高次脳機能障害といった障害もあります。

 高次脳機能障害は、非常に症状を見落としやすい障害であり、記憶力や遂行機能など、高次の脳機能の一部だけが減退するケースもあります。

 このように、一口にくも膜下出血による障害年金といっても、まずは、そのくも膜下出血によってどのような障害が残っているのかを漏れなく把握することが重要になります。

2 くも膜下出血で肢体障害が残った場合

 くも膜下出血により肢体障害が残った場合には、個々の日常生活動作にどのような不自由があるのかを正確に医師に伝えて、それを障害年金の診断書に記載してもらうことがポイントとなります。

 例えば、食事をする際の手の動きはできるかや、歩行に支障はないかなど、そういった一つ一つの動作について実態を把握することが肝心です。

3 高次脳機能障害が残った場合

 高次脳機能障害は精神の障害に分類されています。

 高次脳機能障害の場合、まず、認知面での異常に気付いたら速やかに医師に相談し、認知機能等のテストを受けることが重要です。

 高次脳機能障害あらわれ方にも様々なものがあり、例えば、記憶障害が強く出て、新しい出来事を記憶する能力が大幅に減退してしまったりするなどの症状があらわれることがあります。

 その他にも注意障害といって、注意力を維持することができなくなり、日常生活や仕事の多くのことにミスを連発してトラブルを起こすようになることもあります。

 この他にも、性格面が変容し、社会的に不適切な行動をとるようになってしまったり、遂行機能障害といって自分自身で計画を立てて物事を計画通り遂行することができなくなるなどの症状がみられることもあります。

 これらの変化は、身近な家族等でないと気づきにくいものです。

 くも膜下出血を起こした後に治療を通して関係を持つようになった医療関係者だけでは、例えば性格の変化などは気づくことが困難です。

 そのため、高次脳機能障害が疑われる症状に気づいた際には、速やかに医師に相談して検査を受けることが重要なポイントになります。

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