障害年金を受給することのリスクはあるのか
1 障害年金を受給することが周囲に知られる可能性
障害年金を受給することについて、心配されることの多いリスクが、勤務先などに障害認定を受けたことが知られて、職場で不利な扱いを受けないかというものです。
もっとも、障害年金を受給したとしても、原則として勤務先に障害年金を受給するようになったことを知られることはありません。
障害年金の審査手続きで、年金事務所から直接勤務先に調査などをすることは通常ないためです。
ただし、傷病手当金を受給する場合には、障害年金を受給している旨を傷病手当金の申請書に記載する必要があり、通常はその申請書を勤務先を通じて提出するため、勤務先に障害年金を受給していることを知られる可能性はあります。
2 障害年金を理由に勤務先で不利益を受ける可能性
もっとも、仮に、障害年金を受給していることを勤務先に知られたとしても、実際にそのことから直ちに大きな不利益が発生する可能性は高くはないと考えられます。
まず、障害年金の中には、障害等級を判断するために就労状況が参照される障害があります。
例えば、精神障害などでは、就労状況が障害の程度を把握するための重要な考慮要素となっています。
このような、障害等級を判断するために就労状況が参照されるタイプの障害については、障害年金を受給する前から、就労が困難になったり、就労に大きな支障が生じて勤務先に障害の存在を知られていたりするケースが多いと思われます。
また、内臓疾患や視力、聴力の障害などについても、障害年金の受給の前から、健康診断の結果をとおして勤務先に知られていることが一般的です。
そのため、障害年金を受給したことを知られたことで、勤務先での待遇が急激に悪化するケースは稀であると考えられます。
3 将来もらえる年金が減少するか
また、障害年金をもらってしまうと、将来、老齢になった時の年金が減るのではないかということを懸念されている方も少なくありません。
この点について、年金制度は、積立金の取り崩しとは異なり、先に障害年金をもらった分を、将来の老齢年金から差し引くような仕組みにはなっていません。
ただし、障害年金を受給することで、年金保険料の納付が法定免除となった結果、年金保険料を納付しなかった場合には、老齢年金の支給額が納付額に応じて減少することはありえます。
ただし、法定免除の対象になった場合でも、年金事務所に申し出て免除を受けずに、年金保険料を納付することも可能です。
そのため、障害年金を受給することで将来の老齢年金が減少するという事態は、自分自身の選択で回避できる仕組みになっています。
このように、障害年金を受給することに伴うリスクとして気にされる方が多いことについても、実際には特段のデメリットは生じません。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金申請の必要書類
- 障害年金の決定から支給まで
- 不支給通知が届いた場合
- 障害年金の事後重症請求
- 障害年金における初診日
- 障害年金における社会的治癒とは
- 障害年金の配偶者加算
- 国民年金で障害年金2級が認定された場合の金額
- 障害年金の金額
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 障害年金と生活保護の関係
- 障害年金の受給要件
- 障害年金の時効
- 障害年金の種類
- 障害年金がもらえない理由
- 障害年金における障害認定日とは
- 障害年金受給中に新たな障害が発生した場合の対応方法
- 障害年金を受給することによるデメリット
- 障害年金を受給することのリスクはあるのか
- 精神疾患について障害年金が認められる基準
- うつ病と障害年金3級
- 知的障害の場合の障害年金における初診日
- てんかんで障害年金が受け取れる場合
- 新型コロナ後遺症で障害年金を受給できる場合
- 高次脳機能障害で障害年金が受け取れる場合
- くも膜下出血で障害年金を請求する場合のポイント
- 聴力の障害で障害年金が受け取れる場合
- 気管支喘息で障害年金が受け取れる場合
- 心臓にペースメーカーを入れている場合の障害年金
- 難病で障害年金が受け取れる場合
- 義足で障害年金は受給できるのか
- メニエール病で障害年金を請求する場合のポイント
- 精神疾患の障害年金の更新時の注意点
- 障害年金の額改定請求について
- 有期認定と永久認定について
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害年金の更新
- 障害者年金
- 社会保険労務士とは
- 障害年金についてどこに相談すればよいか
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