脳出血で障害年金をお考えの方へ
1 脳出血で障害年金を申請する際のポイント
・体の麻痺、言語、嚥下等、複数の障害を合わせて申請すると等級が上る場合があります
・初診日から1年6か月待たなくても申請できる場合があります
・高次脳機能障害も認定の対象になります
2 脳出血とは
脳出血は、大脳、小脳、脳幹といった脳そのものの中で出血が生じることをいいます。
脳出血によって生じる症状は、脳のどの部位に出血するかによって様々ですが、脳は全身の運動から認知能力まで、人の活動の司令塔になる臓器であるため、肢体の麻痺、高次脳機能障害、嚥下障害など、様々な類型の障害が残ることがあることが、脳出血の特徴です。
代表的な後遺症は、手足に麻痺が残るなど肢体の機能障害が生じた場合で、日常生活動作もままならなくなり、日常生活や就労に大きな影響が生じることがあります。
また、脳出血がきっかけで記憶力や判断力など高次の脳機能に障害が生じた場合には、単独での生活が困難になったり、就労が困難になることもあります。
このように脳出血後の後遺症により、日常生活や就労に大きな支障が生じる場合には、障害年金を受給できる可能性があります。
3 脳出血で障害年金を受け取れる場合
脳出血では、肢体の機能障害、高次脳機能障害、言語機能の障害、嚥下機能の障害など様々な障害が残ることがありえます。
それぞれの障害について、障害年金を受給できる基準については障害認定基準を参照することで確認ができます。
代表的な例として、肢体の機能の障害については、つまむ、握るといった手の指の動作、洗顔や用便の処置といった上肢の動作、歩く、立つ、座るといった下肢の動作の合計16項目の日常生活動作について、どの程度困難になっているかを評価します。
具体的には、評価対象となる一つ一つの動作の困難の程度を、一人でうまくできる、一人でできるがやや不自由、一人できるが非常に不自由、一人で全くできないという4段階で評価します。
そして、例えば、片麻痺(片側の上下肢に症状がある場合)の場合には、日常生活動作の多くが一人で全くできない、あるいは、ほとんどが一人でできるが非常に不自由な場合には2級になり、両側麻痺(両側の上下肢に症状がある場)の場合には、日常生活における動作の一部が一人で全くできない、あるいは、ほとんどが一人でできてもやや不自由な場合に2級と認定されます。
このように、麻痺が片側に出ているか両側に出ているかと、日常生活動作がどの程度困難になっているかの組み合わせで等級が認定されます。
また、障害年金の申請は、障害認定日(原則として初診日から1年6か月後の日)が来ないとできませんが、脳出血による機能障害の場合、初診日から6か月経過して以降、1年6か月経過する前に症状固定(治療しても症状が変わらないと医学的に判断されること)している場合には、症状固定日が障害認定日となる特例があり、障害年金は症状固定日の翌月分から支給されます。
4 サポート内容とご相談の流れ
脳出血では、肢体の機能の障害だけでなく、高次脳機能障害等様々な障害が生じる可能性があり、どれが障害年金の認定対象となりうるのかを判断することは簡単ではありません。
私たちは、最初の相談の段階から、脳出血後の症状の全体像についてお話をお伺いし、どのような障害として申請をするのがよいかを考えるところから、サポートいたします。
そして、申請対象とすることにした障害については、さらに深くヒアリングを行い、診断書に障害の状態を正しく反映してもらえるよう医師に症状を説明するのに役立つ資料の作成等のサポートいたします。
ご相談をご希望の方は、まずは、フリーダイヤルまで、お電話ください。
受付で簡単な相談内容の聴取りと、ご予約をとらせていただき、その後、有資格者からご相談のご連絡を差し上げます。
5 脳出血と障害年金に関するQ&A
Q 脳出血で障害年金を申請するときの注意点はありますか?
A 脳出血による障害としては、手足に麻痺が残る肢体の障害が代表的で、実際にこの肢体の障害で障害年金の申請をする場合が多いです。
しかし、脳出血により脳がダメージを受けた場合、その他にも様々な障害が生じることがあります。
例えば、認知力、記憶力、注意力等が低下する高次脳機能障害が生じた場合には精神の障害として申請が可能です。
言葉が出てこない、あるいは呂律が回らないといった症状が残った場合には、言語機能の障害としての申請が考えられますし、同様に舌や喉の運動を司る脳神経が傷ついたことにより嚥下障害による申請ができる場合もあります。
複数の障害がある場合には、それらを合わせて申請することにより、単独で申請した場合よりも上の等級に認定される場合があります。
複数の障害で申請する場合には、それぞれの障害が何級に相当するかの見通しを立て、どの様式の診断書を使用するかを検討することが大事です。
Q 脳出血が複数回生じている場合、どのように申請すればよいですか?
A 脳出血などの脳血管障害の申請のサポートをしていていると、脳血管障害が複数回生じている場合があり、そうしたケースでは初診日をどこに設定するかが問題になります。
例えば、10年前に脳出血があり、1年半前に再度脳出血があり、現在、重い半身麻痺があるという事案では、10年前が初診日で1年半前の脳出血で障害が悪化したと判断される可能性もあれば、10年前の脳出血は現在の障害の状態や1年半前の脳出血とは無関係で、初診日は1年半前の脳出血であると判断される場合もありえます。
このような、複数の脳血管障害がある場合の初診日に関する判断は個別性が強いため、個々の事案に応じて、出血部位の同一性、過去の出血から再発までの間の障害の状態、背景に脳動脈瘤等の基礎疾患がないか、主治医の見解など様々な要素を踏まえて、初診日がどちらだと判断されるか見通しを立てる必要があります。
また、上記の事例で、初診日が10年前であれば年金保険料の納付要件を満たすけれども、初診日が1年半前では納付要件を満たさないという場合には、初診日の判断結果次第で申請が却下されてしまうため、初診日が10年前の脳出血であると説明できないか慎重に検討する必要があり、そのためにカルテや医師の意見書などを集める場合もあります。























