難聴で障害年金をお考えの方へ
1 難聴で障害年金を申請する際のポイント
・定期的に聴力検査を受けて、聴力の程度を把握しましょう
・初診日が確認できるように、通院や検査の記録を残しておきましょう
・補聴器を付けない状態の聴力で認定されます
2 難聴とは
難聴とは、音を聴く能力が低下し、耳が聴こえにくくなっている状態のことです。
難聴の原因としては中耳炎などのように、外耳から中耳に問題が生じて音が内内耳に届きにくくなって生じる伝音性難聴と、内耳の蝸牛や聴神経などに問題が生じて起こる感音性難聴が代表的です。
難聴の症状が重くなると、著しく音を聴く力が弱くなり、日常生活に支障が生じるようになります。また、就労等についても、他者との会話でのコミュニケーションをとることが非常に難しくなります。
そのため、障害年金制度では「聴覚の障害」として、一定以上に聴力が悪化した難聴については、障害年金の受給対象としています。
3 難聴で障害年金を受け取れる場合
⑴ 難聴で障害年金が認定される症状の目安
聴覚の障害の障害認定基準では、「聴覚の障害による障害の程度は、純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)及び語音による聴力検査値(語音明瞭度)により認定する。」とされています。
純音聴力レベル値とは、オージオメータを利用して聴き取ることのできる最小の音量をdB(デシベル)という値で表記したものです。
聴力は、補聴器を使用しない状態で測定します。
語音明瞭度とは、特定の音の大きさ(dB)でどれだけの語音が正しく聞き取れるかを語表を使って測定した結果です。
具体的にどの程度の検査結果であれば何級になるのかについては、日本年金機構のサイトに掲載されている障害認定基準で確認できます。
参考リンク:日本年金機構・国民年金・厚生年金保険 障害認定基準
このように、聴覚の障害の認定は、聴力検査の結果で決まる部分が多いといえます。
難聴は一般的に、時間とともに徐々に進行することが多いため、定期的に耳鼻科で聴力検査を受けて、直近の聴力レベルを把握しておくことが重要になります。
なお、「何dB以上であれば何級になる」といった細かな基準は、その都度、障害認定基準を参照して確認すればよいですが、大まかな特徴として、1級から3級はすべて両耳に聴力障害がある場合であり、片耳だけの聴力障害は障害手当金とされている点や、両耳の聴力が100dBから70dB程度が障害年金の対象になる点を覚えておくと、聴力検査の結果から障害年金の申請をするかどうか判断する際に参考にしやすいと思います。
加えて、両耳の聴力では等級の基準に達しない場合でも、語音明瞭度によって等級に該当する場合もあるため、できれば語音明瞭度の検査も受けた方がよいといえます。
⑵ 他覚的聴力検査について
上記のとおり、障害年金の等級は、オージオメータで測定した聴力によって認定されます。
ただし、オージオメータによる検査は、検査を受ける人が、音が聞こえたらボタンを押すという方法で行うため、検査を受ける人の主観が影響します。
そこで、障害認定基準では、聴覚の障害でまだ障害年金を受給していない人に対して1級を認定する場合は、聴性脳幹反応検査(ABR)等の他覚的聴力検査またはそれに相当する検査の診断書への記載と、記録データの提出を求めています。
実際に、障害年金の申請サポートをしていると、1級が期待できるほど聴力が低下していても、通院していた耳鼻科には他覚的聴力検査をできる設備がないなどの理由で、別の大きな総合病院に行って検査を受けてからでないと申請できないケースもあるため注意が必要です。
このように、聴覚の障害の審査では、聴力検査の結果を単純にみるだけでなく、聴覚の異常が他覚的に裏付けられるかも問題とされることがあります。
そのため、難聴の原因について、医師に確認して把握しておくことも重要となります。
4 サポート内容とご相談の流れ
聴覚の障害は、長い期間にわたって徐々に症状が進行していくことが少なくありません。そのため、障害年金の申請を具体的に検討するほど症状が悪化した頃には、初診で受診した病院から受診状況等証明書を入手できなくなっている場合も少なくありません。
このような場合でも、弁護士法人心では、経験やノウハウを活かし、過去に通院した病院に順番に照会を行うなどして、初診日の証明をサポートいたします。
また、医師の作成した診断書が障害年金の認定のために必要な事項についてもれなく記載されているかを提出前に確認したり、病歴・就労状況等申立書を作成するサポートもいたします。
ご相談をご希望の方は、まずはフリーダイヤルまでお電話ください。
受け付けで基本的な事項を聴取りし、その後に、有資格者からご連絡差し上げて、ご相談に乗らせていただきます。
5 難聴と障害年金に関するQ&A
Q 初診日から長期間が経過している場合はどうすればよいでしょうか?
A 難聴の原因となる病気には、突発性難聴、メニエール病、聴覚神経の腫瘍、中耳炎、耳硬化症など様々な疾患があります。
これらの疾患では、ある日突然、耳が全く聴こえなくなるというような急激な変化ではなく、徐々に聴力の低下が進行していくことが多いです。
そのため、障害年金の申請を考えるほど難聴が進行した頃には、初診日から長期間が経過してしまっていることも珍しくありません。
障害年金の申請では、初診日を証明するため、原則として初診の医療機関に受診状況等証明書を作成してもらう必要がありますが、初診日から長期間経過してしまうと、カルテが廃棄されたり、初診の医療機関が閉鎖したりするなどして、初診日の証明が難航することもあります。
このような場合でも、社労士や弁護士に手続きを依頼し、初診の医療機関以外の医療機関からカルテ開示を受けるなどして、受診状況等証明書以外の方法で初診日の特定ができたケースも実際にありますので、最後まで諦めず調査を尽くすことが大切です。
Q オージオメータの検査結果が悪い数値であれば、必ず障害年金を受給できますか?
A 聴覚の障害は基本的にはオージオメータによる純音聴力レベル値を基準に判断されます。
もっとも、オージオメータの検査は、音が聞こえたらボタンを押すという方法であるため被験者者の主観が影響してしまいます。
難聴は、一般的には感音性難聴や伝音性難聴という聴覚器官の器質的な異常に原因があって生じますが、心因性難聴といって、聴覚器官には異常は認められないものの、当事者は耳が聴こえないという症例もあります。
心因性難聴の場合、オージオメータの検査数値は悪くなりますが、難聴の存在を客観的に示す所見が不足しているため、障害年金の受給が認められない場合があります。























